2009-11

2009・11・22(日)山形交響楽団第200回定期演奏会
 歴代4人の指揮者が競演

  山形テルサホール

 大阪空港(伊丹)から11時05分のJALで山形空港へ飛ぶ。この便が飛んでいるだけでも有難いと言えるが、山形空港からのリムジンバスはすでに廃止されており、市内へ行くには予約の乗り合いタクシーとやらを利用しなければならぬと知る。都合でタクシーを利用したが、9千円近くかかったのには悲鳴。世の中、便利あれば不便もある、だ。 

 山形交響楽団の200回定期。
 創立名誉指揮者の村川千秋、名誉指揮者の黒岩英臣、現・指揮者の工藤俊幸、現・音楽監督の飯森範親が勢ぞろいし、1曲ずつ指揮したが、おのおの異なった指揮者の個性にオーケストラが実によく反応して、あたかも山響の歴史を一夜にして回顧するかのような趣きを呈した。

 特に印象深かったのは、村川千秋が久しぶりに振ったというシベリウス――その「カレリア組曲」であった。
 思えば、東京在住の私たちが山響の演奏を聴く機会を少しずつ増やすことが出来た頃、彼の振るシベリウスは、山響の「定番」だったと思う。彼が「地方都市オーケストラ・フェスティバル」で最後に指揮した(2001年)シベリウスの「第7交響曲」は、本当に心のこもった素晴らしい演奏だったのを記憶している。
 1972年に東北地方最初のプロ・オーケストラとして立ち上げ、自ら中心になって血の滲むような努力で引っ張って来たこの山響が、今やこんなにも立派な楽団に成長したのを目のあたりにして、彼の感慨もひとしおだったのではなかろうか。
 この「カレリア組曲」の演奏に聴かれた、不思議なほどに懐かしい温かさは、楽員が村川に捧げる想いをも反映したものであったろう。

 この日のプログラムは、現音楽監督・飯森範親の指揮する明晰かつダイナミックな、新しい時代に入っている山響の姿を如実に示す演奏の、ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲で結ばれた。
 

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