2009-08

8・11(火)フェスタミューザKAWASAKI 14日目
飯守泰次郎指揮 東京シティ・フィル ブルックナー「交響曲第7番」

    ミューザ川崎シンフォニーホール  (夜8時)

 飯守さんがピアノでテーマを弾きながら、ソロでプレトーク。
 話が、随分上手になった。昔は、話の筋道などどこへやら、ピアノを弾き出せばそのまま延々と自分ひとりで陶酔に浸ってしまうのが常だったが、もう今は違う。
 今日は、この曲の究極のテーマは「愛」であるという話を中心に、作品解説を含めて25分間。
 これだけ聴衆から真剣に聴かれ、盛大な拍手を浴びたプレトークも稀ではないか。真心こめた話しぶりが聴き手の心を捉えるのだろう。

 プログラムは、これ1曲。
 第1楽章は、予想外に遅いテンポだ。じっくりと起伏をつくる狙いがあったと思われるが、もともとソロやアンサンブルに緻密さが不足するシティ・フィルの弱みが露呈して、その遅いテンポを保ちきれないのが惜しまれる。
 しかし、第2楽章以降は持ち直した。とりわけアダージョはしっとりと美しかったし、ノーヴァク版の指定に従いアッチェルランドとリタルダンドを頻繁に繰り返した第4楽章もエネルギー感充分だ。
 難点といえば、第3楽章でのティンパニがあまりに乱暴すぎることと、第4楽章最後の昂揚したコーダでテュッティが混濁し、主題の明晰さが失われたこと。
 でも、総合的には良いブルックナーだった。

 終演後の楽屋で、「第1楽章は、昔より随分テンポが遅くなりましたね」とマエストロ飯守に尋ねたら、苦笑しながら「宗教性より官能性に傾いてしまうんだよね、どうも最近は」と、意味シンな答え。
      

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