2008-05

5・31(土)ラ・プティット・バンド

  神奈川県立音楽堂

 このところの長雨で湿度も高く、しかも「木のホール」として知られる古い音楽堂だから、この種の演奏団体には辛かろう。湿気満々の濡れた傘を客席に持ち込むのは更に良くないことなのだが、今日もそういう人が散見されたし、なぜかホール側もそれを認めている様子。

 シギスヴァルト・クイケンが音楽監督をつとめるラ・プティット・バンド。今回は彼みずから、ヴィオロン・チェロ・ダ・スパラという、肩からベルトで胸の前に吊るして演奏する楽器(見たところ小型チェロといった感じ)を携えてきた。
 チェロと違って低音域は出ないけれど、端整ながら瑞々しく、しかも不思議な官能美を感じさせる楽器だ。「RV403ニ長調」のチェロ協奏曲では、結構な迫真力さえみなぎらせていた。
 
 編成はその他に、ヴァイオリン3、ヴィオラ1、リコーダーおよびピッコロ1、チェンバロ。
 今回は全ヴィヴァルディ・プロで、最大の売り物は、スパラを含めた弦楽五重奏とチェンバロで演奏された「四季」であった。そのスパラの響きも影響して、CDで聴くよりも更に響きが軽やかである。協奏曲ならぬ室内楽の「四季」も、すこぶる新鮮で面白い。湿気のない時に、しかももっと音が良く響く教会のような場所で聴けば、いっそう詩的な趣きになるかもしれない。
 メンバーの一人に、ヴァイオリンの赤津真言(あかつ・まこと)がいる。「ラ・フォリア」では、リーダーとして闊達な演奏を聴かせてくれていた。

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