2008-05

5・2(金)ヨハネス・ヴィルトナー指揮フィルハーモニア台湾

  横浜みなとみらいホール

 「(台湾)国家交響楽団」の名称は今でも生きているらしいが、国外向けには2年前から「フィルハーモニア台湾」を使うようになっている。PMFでもおなじみのチェン・ウェンピンは、現在は首席客演指揮者。このポストにはもう一人、アーティスティック・アドヴァイザーを兼ねるギュンター・ヘルビッヒ(!)がいる。

 このオーケストラ、基本的にはきわめて優れた団体のように感じられる。木管群のバランスの良さ、弱音における弦楽器群の柔らかいふくよかな音色などに関しては、東洋のオーケストラとしては出色のものだろう。特に弦は、「ザ・グレイト」(シューベルト)第4楽章第2主題での伴奏音型などで秘めやかな美しさを発揮していた。
 とはいえ(1階席で聴く範囲では)フォルテ以上の大きさになった時の第1ヴァイオリンの音が異様に大きくて鋭く、全体の音色の均衡を失わせる傾向があるのだけは気になる。前半のベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」(ソロは胡乃元=フー・ナイユアン)でのように節度を保った響きの場合には、そのようなことはない。

 今回は客演だったヴィルトナーは、この2曲のあと、おそろしくハイな調子のスピーチをやり、アンコールとしてベートーヴェンの「レオノーレ」序曲第3番を指揮。いかにも練習不足を感じさせる散漫な演奏だったが、1番フルートがやたら上手く、あの華麗なソロ・パートを聴かせるのが目的でこれを取り上げたのではないかと思わせるほどで、そのあとはオケも俄然盛り上がった。しかし、最後の土壇場でのティンパニの大ポカはいただけない。同じ種の事故は、フルトヴェングラー指揮ストックホルム・フィルでの前例もあるが、不思議だ。

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