2008-04

4・24(木)ニコライ・アレクセーエフ指揮新日本フィル

  サントリーホール

 エストニア国立響首席指揮者ニコライ・アレクセーエフの指揮をナマのステージで聴いたのは初めてだが、かなり豪快な音楽を創る人だ。

 ショスタコーヴィチの交響曲第11番「1905年」の「1月9日」の楽章など、阿鼻叫喚の巷ともいうべきものであったが、しかしただやみくもに怒号するのではない。楽曲全体をバランスよく設計し、音色の変化にも緻密に工夫を凝らしているところ、なかなかの手腕である。
 この人のピアニッシモはかなり音量が大きい方で、音楽はあくまで明晰だ。そのため同じような楽想が延々と続く第1楽章(宮殿前広場)でもきわめて見通しのいい構築を感じさせてくれたのは好ましい。それに比例してフォルティシモもいよいよ大きく、新日本フィルは轟然と鳴り響いた。それでも響きに硬さや濁りを感じさせなかったのは見事である。ただ、1時間を超える全4楽章を(楽譜の指定通り)アタッカで演奏して、第4楽章でやや息切れを生じたのかどうか知らないけれども、大詰めのダメ押し部分に些か迫力を欠いたのは惜しかった。

 1曲目のシチェドリンの「ショスタコーヴィチとの対話」(2001年作品)は今回が日本初演とのこと。すこぶる物々しく騒々しい曲。失礼ながら、この人の作品で面白いと思ったものは未だかつて1曲もない。
 2曲目のチャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」(原典版)でソロを弾いたベルリン生まれのアルバン・ゲルハルトは、驚異的なほど鮮やかで生き生きとした音楽の持ち主である。次は現代音楽の演奏をナマ演奏で聴いてみたい。

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