3・30(日)地方都市オーケストラ・フェスティバル第4日
飯守泰次郎指揮 関西フィルハーモニー交響楽団
トリフォニーホール (夜)
「関西フィル最初で最後のワーグナーですよ! 聴いてください!」と、先日このオケの西濱秀樹事務局長が言って回っていた。
冗談で言っているのか本気で言っているのか解らぬが、彼は関西のノリというのか、プレトークなどで藤岡幸夫(同団首席指揮者)と組むと、まじめな顔をして何とも面白い話をする人だから、何となく迫真性がある。
たしかに、ハープ4台、4管編成、ワーグナー・テューバ多数にティンパニも2人、といったような大編成は、基本楽員数50数名のこのオケには負担ではあろう。
とはいえ、このところワーグナーで乗りに乗っている常任指揮者・飯守泰次郎との絶妙なコンビぶりを誇示するには絶好のプログラムであったことは事実である。
プログラムは、前半に「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「タンホイザー」「ローエングリン」から計5曲、後半に「ニーベルングの指環」から5曲というラインナップで、関西フィルは実によく鳴りわたった。
飯守は、いささかもオーケストラに対して妥協せず、ワーグナーの豪壮な響きを追及し実現しようと試みる。しかもそれは、見事に成功したのであった。単に音響が壮大であるということだけではなく、大きな空間的拡がりと深い情感がこめられているために、音楽がこの上もなく豊かになっているのである。それこそがまさに飯守の真骨頂であろう。
些かの粗い個所を別とすればこの演奏は、いわゆる名曲集としては、これまで彼が東京のいくつかのオーケストラを指揮したものよりも格段にバランスに優れ、しかも勢いが良かった。ソリストは緑川まりと三原剛。
6団体を集めた今年の「地方都市オーケストラ・フェスティバル」は、これでフィナーレ。
今年は例年と違って、短時日のうちに集中的に公演が行なわれる方法が採られた。もちろんこれは、各都市のファンも上京してまとめて聴けるよう、また各オーケストラの楽員同士も交流できるようにという目的で組まれたものだったが、一般のお客さんにはどう受け取られたであろうか。
いずれにせよこれは、この上なく意義のある企画である。今後もいろいろな試みを行ないつつ継続展開していって欲しいと願うこと切なるものがある。
佃煮やら菓子やら工芸品やら、各地の名産品も売られていた。いいことだが、販売場所が大ホールと別のフロアにあっては、一般のお客さんはあまり気がつなかったのではなかろうか。
「関西フィル最初で最後のワーグナーですよ! 聴いてください!」と、先日このオケの西濱秀樹事務局長が言って回っていた。
冗談で言っているのか本気で言っているのか解らぬが、彼は関西のノリというのか、プレトークなどで藤岡幸夫(同団首席指揮者)と組むと、まじめな顔をして何とも面白い話をする人だから、何となく迫真性がある。
たしかに、ハープ4台、4管編成、ワーグナー・テューバ多数にティンパニも2人、といったような大編成は、基本楽員数50数名のこのオケには負担ではあろう。
とはいえ、このところワーグナーで乗りに乗っている常任指揮者・飯守泰次郎との絶妙なコンビぶりを誇示するには絶好のプログラムであったことは事実である。
プログラムは、前半に「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「タンホイザー」「ローエングリン」から計5曲、後半に「ニーベルングの指環」から5曲というラインナップで、関西フィルは実によく鳴りわたった。
飯守は、いささかもオーケストラに対して妥協せず、ワーグナーの豪壮な響きを追及し実現しようと試みる。しかもそれは、見事に成功したのであった。単に音響が壮大であるということだけではなく、大きな空間的拡がりと深い情感がこめられているために、音楽がこの上もなく豊かになっているのである。それこそがまさに飯守の真骨頂であろう。
些かの粗い個所を別とすればこの演奏は、いわゆる名曲集としては、これまで彼が東京のいくつかのオーケストラを指揮したものよりも格段にバランスに優れ、しかも勢いが良かった。ソリストは緑川まりと三原剛。
6団体を集めた今年の「地方都市オーケストラ・フェスティバル」は、これでフィナーレ。
今年は例年と違って、短時日のうちに集中的に公演が行なわれる方法が採られた。もちろんこれは、各都市のファンも上京してまとめて聴けるよう、また各オーケストラの楽員同士も交流できるようにという目的で組まれたものだったが、一般のお客さんにはどう受け取られたであろうか。
いずれにせよこれは、この上なく意義のある企画である。今後もいろいろな試みを行ないつつ継続展開していって欲しいと願うこと切なるものがある。
佃煮やら菓子やら工芸品やら、各地の名産品も売られていた。いいことだが、販売場所が大ホールと別のフロアにあっては、一般のお客さんはあまり気がつなかったのではなかろうか。
3・30(日)地方都市オーケストラ・フェスティバル第4日
小泉和裕指揮 九州交響楽団
トリフォニーホール (マチネー)
今日は一転してチャイコフスキー・プロ。「エフゲニー・オネーギン」からの「ポロネーズ」「ヴァイオリン協奏曲」「交響曲第4番」、アンコールで「オネーギン」の「ワルツ」という名曲の組み合わせ。
現首席指揮者・ミュージック・アドヴァイザーの秋山和慶は、前夜の広島響(音楽監督・首席指揮者を兼任している)の演奏会を指揮したので、今回は元首席指揮者の小泉和裕が振った。
そうなれば秋山や、前シェフの大山平一郎が指揮する時とは全く異なったタイプのカラーが出るのは当然だが、とにかく朗々とよく鳴る。30年前のこのオケを思うと、うたた感ありだ。それだけ若い優秀な楽員が主力を占めるにいたったのだろう。
弦の分厚いうねりや、金管の底力ある咆哮は、小泉特有のもの。それに音楽の押しの強さ、クライマックスへのもって行き方の巧さ、壮大志向など、最近の彼の音楽づくりは、ある部分で後期のカラヤンにますます似てきたような気がする。
もっとも、35年前にカラヤン国際指揮者コンクールに優勝し、その2年後に新日本フィルの音楽監督として華々しくわが国の音楽界に登場した時から、小泉の音楽にはカラヤンの影響を強く受けているような傾向があった。悪いことではない。そのような壮大指向の演奏も、オーケストラ音楽の魅力の一つだからである。
なお、協奏曲でソロを弾いた矢野玲子は、2004年のジュネーヴ国際コンクール最高位を取り、現在パリ国立高等音楽院在学中だが、濃厚な音色のレガートを駆使し、実にスケールの大きな「歌」をつくる人だ。今日もまた、すばらしいソリストの演奏が楽しめた。
お客さんは比較的よく入っていた。今村晃事務局長・音楽主幹が、「デプリーストのラスト・コンサート(東京都響)じゃなく、こっちを聴きに来てくれた人が、ほらこーんなに」とリストを見せてうれしそう。彼は以前、都響事務局にいた人だ。その気持は解る。
今日は一転してチャイコフスキー・プロ。「エフゲニー・オネーギン」からの「ポロネーズ」「ヴァイオリン協奏曲」「交響曲第4番」、アンコールで「オネーギン」の「ワルツ」という名曲の組み合わせ。
現首席指揮者・ミュージック・アドヴァイザーの秋山和慶は、前夜の広島響(音楽監督・首席指揮者を兼任している)の演奏会を指揮したので、今回は元首席指揮者の小泉和裕が振った。
そうなれば秋山や、前シェフの大山平一郎が指揮する時とは全く異なったタイプのカラーが出るのは当然だが、とにかく朗々とよく鳴る。30年前のこのオケを思うと、うたた感ありだ。それだけ若い優秀な楽員が主力を占めるにいたったのだろう。
弦の分厚いうねりや、金管の底力ある咆哮は、小泉特有のもの。それに音楽の押しの強さ、クライマックスへのもって行き方の巧さ、壮大志向など、最近の彼の音楽づくりは、ある部分で後期のカラヤンにますます似てきたような気がする。
もっとも、35年前にカラヤン国際指揮者コンクールに優勝し、その2年後に新日本フィルの音楽監督として華々しくわが国の音楽界に登場した時から、小泉の音楽にはカラヤンの影響を強く受けているような傾向があった。悪いことではない。そのような壮大指向の演奏も、オーケストラ音楽の魅力の一つだからである。
なお、協奏曲でソロを弾いた矢野玲子は、2004年のジュネーヴ国際コンクール最高位を取り、現在パリ国立高等音楽院在学中だが、濃厚な音色のレガートを駆使し、実にスケールの大きな「歌」をつくる人だ。今日もまた、すばらしいソリストの演奏が楽しめた。
お客さんは比較的よく入っていた。今村晃事務局長・音楽主幹が、「デプリーストのラスト・コンサート(東京都響)じゃなく、こっちを聴きに来てくれた人が、ほらこーんなに」とリストを見せてうれしそう。彼は以前、都響事務局にいた人だ。その気持は解る。