2008-03

3・17(月)旅行日記第3日
ザルツブルク・イースター音楽祭 「天地創造」

  ザルツブルク祝祭大劇場

 数年前にラトルがこの音楽祭で指揮したハイドンの「四季」が非常に痛快な演奏だったので、今回の「天地創造」は、「ワルキューレ」以上に期待していたのだが・・・・。

 たしかに、ここぞという個所でぐいぐい煽って盛り上げる呼吸は、さすがの演出巧者といえよう。テンポのみならず、デュナミークや細部の音色にいたるまで神経を行き届かせるのが最近のラトルだ。
 「ワルキューレ」に聴かれたテキストと音楽との密接な結合は、ここでも大いに発揮されていた。だが、それを強調するあまり、楽曲の総合的なバランスをも崩して憚らぬやり方には、いささか賛同しかねる。たとえば第2部冒頭のガブリエルのアリアで、「und」前後の個所を、なぜあんなに大幅にテンポを落して歌わせるのか。また第2部最後の3重唱のうち、「主が顔をそむければ」のくだりだけをあれだけ重く遅く演奏させる必要があるのだろうか。
 それでも楽曲のバランスは崩れていないと主張する人たちとは主観的に異なるところだが、しかし私にはこれは、あの「大」アーノンクールやハーディングがさかんにやっているような、テンポを異常に強調する手法の悪しき影響に思えてならないのである。
 序奏での極度に遅いテンポに関しても、同じようなことが言えよう。

 とはいえ、また誉め言葉に戻るが、それほど妙にいじくらない個所・・・・第2部前半の3重唱でのラトルの追い込みと盛り上げなどは見事なものであった。そのあとのラファエルによる、獣や虫たちが生まれる場面のレチタティーヴォも、トーマス・クヴァストホフの絶妙な歌唱表現も手伝って、実に生き生きとしたいいテンポの音楽になっていた。

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