2008-01

1・19(土)パスカル・ヴェロ指揮仙台フィル フランス・プロ

  仙台市青年文化センターコンサートホール

 フランスの指揮者パスカル・ヴェロを常任に迎えて以来、目覚しい変貌を遂げつつある仙台フィル。

 この1月定期では、ルーセルの「異教徒の祭典のためのファンファーレ」と「バッカスとアリアーヌ」第1・第2組曲、オリヴィエ・シャルリエのソロでデュティユーのヴァイオリン協奏曲「夢の木」とラヴェルの「ツィガーヌ」、という具合に、東京のオーケストラでさえ滅多にやらないような意欲的なプログラムを押し出した。
 フランスものを大々的にレパートリーに投入し、仙台フィルに新しい個性を確立しはじめたヴェロが、ドビュッシーやラヴェルといったスタンダードなプログラムから更に20世紀後半の現代音楽まで手を拡げたということは、両者の共同作業において、すでに大いなる信頼が生まれてきていることを表わすものであろう。

 響きの不完全な、フォルティシモになると詰まったような音になってしまうこのホールは、ルーセルなどの壮麗な音楽には、いささか苦しい。
 だが、ある程度それを感覚的に補正しながら聴くと、今日のプログラムは、どれも見事な演奏だった。協奏曲でのシャルリエの鮮やかなソロを包む堅固な、しかもしなやかな表情など、わが国のオーケストラとしては出色の演奏だろう(曲中のチューニングを模した個所でシャルリエが結構それっぽい芝居を見せていたのも面白い)。
 そしてまた、ルーセルの組曲での、色彩感豊かな盛り上がりも痛快だった。第2組曲の終り近くの速い個所のリズムなどにもっとしゃれっ気があれば最上だったろうが、こういうところは指揮者とオーケストラが更に呼吸の合った関係になっていなければ無理というもの。しかし、それにしてもこれらは、かつてのこのオーケストラからは想像もつかなかったほどカラフルな、生き生きとした演奏である。

 仙台フィル、急上昇中。この勢いで日本のオーケストラ界を席巻してもらいたい。

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