2007-11

11・26(月)ドレスデン・オペラ「サロメ」

  東京文化会館
 
 ファビオ・ルイジが指揮して、日本公演の「有終の美」を飾る。

 シュターツカペレ・ドレスデンの演奏もまず良かった。ルイジはこの「サロメ」の音楽を、他の指揮者のように絶叫怒号させることはしない。この曲がこれほど叙情的な要素の強いものだったのかと、改めて認識させられたほどである。
 配役にもカミッラ・ニールンド(サロメ)、アラン・タイトゥス(預言者ヨカナーン)、ヴォルフガンク・シュミット(ヘロデ王)、ガブリエレ・シュナウト(ヘロディアス)といった腕利きが揃い、音楽的にもバランスのいい舞台を創り上げていた。
 
 演出は、春のドレスデン上演の際とほぼ同じ(→3月17日)。
 とはいえ、サロメの踊りの全くない「7つのヴェールの踊り」の場面は、やや変更されていたような気もする。あの時には、上記4人のエロティックな関係がもう少し具体的に描かれていたという記憶もあるのだが、定かではない。
 だがあのラストシーンは、どんなものだろう。ドレスデン上演の際には、サロメが白布を少し持ち上げていて、斧を手に駆け寄ったヘロデがそこになにか異様なものを見て(観客席からは見えない)恐怖のあまりのけぞる、という演出になっていたと記憶する。その点、今日の舞台では、ヘロデがなぜ斧を取り落として立ちすくむのか、あまりよくわからなかったのではないか。

 今回の一連の日本公演では、ルイジが振った時と、他の指揮者たちが振った時との間に、かなり演奏上のギャップがあった。
 裏の事情もいろいろ聞くけれども、とにかく一番ワリを食ったのは準・メルクルだったようである。芸術の殿堂みたいなイメージのゼンパー・オーパーにも、複雑な内情があるということ。指揮する演目を強引に変更されたメルクルには気の毒なことになり、その分、音楽総監督ルイジは点を稼いだ。といって、ルイジを非難しているわけではないのだが。

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