2007-11

11・24(土)東京二期会「天国と地獄」

  日生劇場(マチネー)

 日本語上演。
 
 ジュピターら神々が住む天国は超モダンな洋風リビングに、冥界の大王プルートの邸は中国風にしつらえられている。地上ではユーリディス(澤畑恵美)が和服姿で、プルート(高橋淳)が火消し袢纏に入れ墨で登場、地獄ではいずれも中国服姿といった趣向(演出&美術・佐藤信、衣装・横井利彦)。
 さりとて、特に新機軸が打ち出された演出というわけでもない。二期会は1980年代初期に萩本欽一&なかにし礼の演出で「天国と地獄」を制作しているが、あれよりは簡明で洗練された舞台になっていた。

 オペレッタの日本語上演というのは解りやすく、それなりの利点が大いにあるのは事実としても、より高い水準を求めるためには、難しい問題がいろいろ付きまとう。
 たとえばセリフ回しの問題、演技の問題、芝居としての構成の問題、歌詞が聞き取りやすいかどうかの問題など。
 残念ながら、現段階では、いずれも中途半端であるとしか言いようがない。演技について言えば、新国立劇場などにも助演役でよく出演している原純のような芝居巧者を脇役に起用すれば、少しは舞台が引き締まるだろうにと思う。それに今日の歌手の中で明快に言葉が聞き取れたのは、高橋淳と久保和範(ジュピター)、羽山晃生(スティックス)のみ。合唱は歌詞がほとんど判らなかった。

 指揮は阪哲朗、管弦楽は東京響。セリフから音楽への受け渡しはうまく行っていたと思うが、残響の極度に少ない劇場のピットで、しかも小編成のオケが洒落た味を出すのはつくづく難しいものだと考えさせられる。

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