2007-11

11・23(金) マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団

  サントリーホール 6時

 前半は、川崎の時と同じく、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。サラ・チャンが例の独特のヴィブラートを駆使した音色で、体当たり的な激情を迸らせた。こちらがたじたじとしてしまうほどの強烈さだが、若さの特権のようなこの個性は実に素晴らしい。
 
 後半はブルックナーの第7交響曲。第1楽章では、マリスはやはりブルックナーには合わないのかなという気もしないではなかったけれど、第2楽章以降ではそんな危惧も払拭されてしまった。アダージョ楽章での弦の豊かな響きと、最後の3小節の和音の均整の取れた調和は絶品だったし、スケルツォ楽章での追い込みも凄まじい。
 フィナーレの最後、全管弦楽が嵐のようなクレッシェンドを開始するその発端となるのは、ほぼ6オクターヴ以上を包む弦のppのトレモロだが、それが今回ほど巨大な空間的拡がりを以って響いたのも滅多にないことであった。
 このオーケストラは、やはり巧い。

11・23(金)ジェイムズ・デプリースト指揮東京都交響楽団
ワーグナー・プロ

  東京芸術劇場(マチネー 2時)

 デプリーストのワーグナーものはこれまであまり聴いたことはなかったが、予想通り禁欲的に引き締まった、あえて言えば引き締まりすぎた(?)サウンド。「ジークフリートのラインへの旅」前半、都響の弦がこれほど大きなスケールでクレッシェンドしたのは久しぶりに聴いた。とはいえ、「冷静なワーグナー」は、やはりどこかに欲求不満を残してしまう。
 曲は、「トリスタンとイゾルデ」の「前奏曲と愛の死」、「ヴェーゼンドンクの5つの歌」(ソロは佐々木典子、好演)、「神々の黄昏」からの3曲。

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