2007-11

11・19(月)ギドン・クレーメル&クリスチャン・ツィメルマン

  東京オペラシティコンサートホール

 いずれ劣らぬ名手2人、というよりは、無双の超個性派同士の対決、というべきか。
 ブラームスのソナタ第2番と第3番、それにフランクのソナタ。

 一つ一つの音符やフレーズに、これまで聴いたこともないような表情が付与され、全く別の旋律に聞えてしまう時さえある。特にフランクでは、レガートのフレーズがスタッカートのアラ・マルチャに変化してしまうこともあったくらいだ。だが、今にもデフォルメされるのではないかというギリギリの瀬戸際を進み続けるような演奏の、そのスリルの快さ、面白さは、たとえようもない。ソロの個所になると、時にどんどんテンポが遅くして、いつものスタイルで音楽を分解し始めるのではないかとハラハラさせるツィメルマン。かたや変幻自在の音色とデュナミークと表情で聴き手をドキドキさせるクレーメル。およそデュオなど成り立つまいというイメージのこの2人が、しかし一緒に合わせる個所では、おのおのの個性を主張したままで、完璧に合わせてしまう。
 絶対に退屈させない演奏会とは、こうしたものを言うのだろう。

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