2007-10

10・5(金)パノハ弦楽四重奏団

  浜離宮朝日ホール

 昨日は風邪気味のため、スリランカ交響楽団を聞き逃した。何とか持ち直したので、今日はパノハ四重奏団の演奏会に行く。
 
 この四重奏団を聴くのは、実に久しぶりだ。1980年に師匠のスメタナ四重奏団との合同演奏で日本に初登場した時から、89年の第3回の来日あたりまでは毎回聴きに行っていたのだが、その後はどういうわけか機会がなく、従って今日はそれ以来ということになる。メンバーも、年齢相応の風貌になっていた。

 だが、彼らの昔に変わらぬ柔らかい音色は、本当に魅力的だ。音楽を心底から慈しむように、大切なものを優しく抱きしめるかのように、弦楽器を奏でてくれる。昔のチェコの演奏家たちはみんなこういう音色を持っていたものだ(チェコ・フィルだってそうだった)。忘れかけていた懐かしいアナログの音に再び出会ったような思いになる。最近のように、ピリオド楽器奏法だの何だの(それはそれで私は好きなのだが)戦闘的な音色に慣れてしまった耳には、パノハ四重奏団のそれはあまりに温かすぎて、最初のうちは戸惑いを覚えてしまうほどである。

 しかし、パノハ四重奏団のこのスタイルは、音楽として今日なお確固たる存在だ。現実にこれだけの聴衆を集め、これだけの拍手を享けているのである。何とすばらしいことかと思う。これでこそ、音楽の世界は多様になるのだ。今日のメイン・プログラムは、ハイドンの「皇帝」、シューベルトの「第10番変ホ長調」、ドヴォルジャークの「第10番変ホ長調」。シューベルトの第1楽章での主題の温かい歌わせ方など、あれを真似できるカルテットは、他にあるまい。ヒューマンな演奏を聴いていたら、風邪もいつのまにか抜けてしまっていた。

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