2007-09

9・28(金)ユベール・スダーン指揮東京交響楽団

 サントリーホール

 ハイドンの第2交響曲、ブラームスの第3交響曲、樫本大進をソリストに迎えてのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、という順序で演奏された定期。

 ハイドンは、今シーズンのスダーン指揮によるシリーズ。チェンバロを含めての小編成で、歯切れのいい演奏だ。ハイドンの初期の交響曲は、概して傍若無人なほどの大胆な作風を示しているが、スダーンのこの演奏は、古典派の先駆という位置づけを前面に出しているように感じられる。第2楽章は低音部が古典派、上声部はバロックというような構築が面白い。ただ、この曲の演奏を聴きながら、サントリーホールは改修後、少し響きがドライになったかなという印象を初めて持った。いくら満席に近いとはいえ、以前ならこの規模の演奏でも、もう少し瑞々しい音がしたように思うのだが・・・・。

 ブラームスの第1楽章は、同じ「アレグロ・コン・ブリオ」でも、ベートーヴェンの「アレグロ・コン・ブリオ」とは全く性格を異にするものだ、ということを証明するようなスダーンの指揮。抑制されたテンポで、非常に翳りの濃い響であり、全曲を通じてその特徴が貫かれる。午後に行なわれたゲネプロでは、なかなかに滋味ある美しい演奏だったが、本番では残念なことにトランペットやクラリネットにめずらしくミスが出て、やや感興を削いだ。

 休憩後はヴァイオリン協奏曲。第1楽章で多用される上行音階はベートーヴェンの気迫を示す特徴の一つでもあるが、樫本はこれに強い推進性も加えて、すばらしい緊迫度に満ちた演奏を繰り広げた。カデンツァでも同様。第3楽章ではこの緊張が解れて、少し寛いだ表情になった。客席はこの曲で大いに盛り上がる。
「音楽の友」12月号演奏会評

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