2007-09

9・8(土)サイトウ・キネン・フェスティバル
小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ

  長野県松本文化会館

 サイトウ・キネン・フェスティバルのオーケストラ・コンサートのBプログラムで、3回公演のうちの2日目。全フランス・プロだから、これはもう小澤の自家薬篭中のレパートリーだ。

 予想どおり、彼の最良のものが生き生きと浮かび上がっていた。ただ、これも予想どおり、それらは玲瓏たる美しさではなく、贅肉の一切無い、輪郭の非常に明確な歌なのである。指揮者は70歳を超えればテンポも遅くなるとか、音楽も軟らかくなるとかいう例が多いものだが、今夜演奏されたラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」も、ベルリオーズの「幻想交響曲」も、昔に変わらぬ歯切れの良い明晰な小澤のスタイルであった。彼は本当にいつまでも若い。彼の得意のレパートリーなら殊更そうである。
 
 その2曲の間に演奏されたのは、デュティユーの作品「瞬間の神秘」と「時間 大時計」の2曲だった。後者はサイトウ・キネン・フェスティバルとボストン響、フランス国立管の共同委嘱による、3曲からなる短い作品。
 こうした現代フランス音楽でも、小澤の指揮は瑞々しい。そこには余計な装飾も演出も全くないが、作品そのものをはっきりと聴き手に意識させる集中力が備わっている。小澤のベストは、まさにこうしたプログラムにある。ロシア、東欧、日本の作品などもそうだ。彼はこれらの路線で超一流の力量をもっているのだから、それをもっと前面に押し出して活動して欲しいものである。
 
 なお「時間 大時計」ではルネ・フレミングがソロを歌った。ザルツブルクで聴いた時よりも声はずっと良くなっていたのは喜ばしい。 

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