2017-08

2017・7・19(水)レナード・スラットキン指揮デトロイト交響楽団

     東京オペラシティ コンサートホール  7時

 諏訪内晶子が芸術監督を務める「国際音楽祭NIPPON」(第5回)の一環。
 前半の2曲、武満徹の「遠い呼び声の彼方へ!」およびコルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲」では、彼女がソリストを務めた。後半のプログラムは、チャイコフスキーの「交響曲第4番」だった。

 やはり聴きものは、最初の2曲である。
 とはいっても、「遠い呼び声の彼方へ!」でのオーケストラの無造作なほどの荒っぽさには、少々驚く。武満の静謐な音の美は、荒々しいダイナミズムの中に消え失せた。外国のオケが演奏するタケミツ作品は概してメリハリが強く、造型のしっかりした音楽になることが多く、それはそれで面白くなるのだが、今日のはかなり極端だったのではないか。叙情美を歌う諏訪内のソロさえ、しばしばオーケストラの強音に打ち消されてしまっていた。
 スラットキンは、これまでにも武満作品を少なからず指揮しているし、こんなに荒っぽい演奏をすることはなかったはずなのだが━━。

 その点、次のコルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲」でのデトロイト響の演奏は、曲想からしても、まったく違和感はない。諏訪内晶子のソロも伸びやかで、スケール感も豊かであり、大きな起伏を以ってオーケストラと拮抗し、快演を聴かせてくれた。このコルンゴルトの協奏曲は、彼女の定番曲となり得るのではないか? それにしても彼女は、特にこの十数年来、本当に素晴らしいヴァイオリニストになっている。

 チャイコフスキーの「4番」は、このホールを揺るがせんばかりの大音響。別に大きな音がいけないと言っているわけではないが、この演奏には、正直言って、少々疲れる。
 アンコールは菅野よう子の「花は咲く」。今回の大編成の管弦楽への編曲はかなり長く、しかも豊麗だ。これを取り上げたのは、彼らなりの精一杯のサービスだろうから、有難く拝聴させていただいたが、どうもある種の違和感がある。
 その点、アンコール2曲目に演奏されたフェリクス・スラットキン(レナードの父君)の「悪魔の夢」とかいう、題名とは裏腹の陽気なウェスタン調の小品の方が、いかにもアメリカのオーケストラが「地」を出したという雰囲気が感じられて、よほど楽しかった。

 ちなみに、レナード・スラットキンは、2008年からこの楽団の音楽監督。また、プログラムにはメンバー表が載っていないのだが、コンサートマスターはヨーンシン・ソンという、韓国出身の女性奏者である。
        →別稿 音楽の友9月号 Concert Reviews

コメント

むかしLPで聴いたことある

概ね東条先生お説のとおり。諏訪内晶子は、生き方の定まった人間の落ち着きと風格がある。ポール・パレーゆかりの名門は、こんなものなのかな。音楽と関係ないが、開演前の彼らの仲間内での雑談ぶりは凄かった。あんなオケ見たことない。緊張し過ぎも困るが、あんた達何しに来てるの?と突っ込みたくなった。

大阪で拝聴しました

大阪ザ・シンフォニーホールでのプログラムは、バーンスタイン「キャンディード」序曲、マクティー「ダブルプレー」、ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」(ピアノは小曽根真さん)そして、チャイコフスキー交響曲第4番でした。アメリカの風を満喫できたように思います。とりわけ小曽根真さんの「ラプソディー・イン・ブルー」は圧巻でした。アンコールは「悪魔の夢」と、サプライズの「六甲おろし」!スラットキンさん自らがタイガースの帽子をかぶっての指揮でした。デトロイトと阪神、地元タイガースファン同志、これには、会場大盛況でした!ちなみに、こちらのプログラムではメンバー表が載っていましたよ。ひとつだけ、言わせていただいければ、チャイコフスキーよりコープランドの交響曲を拝聴したかったです。

オールアメプロでとても良かったです。
ちなみに、やはり楽員間でおしゃべりしていましたが、昔のアメオケはあんなもので(私が見たのは一流どころでムーティフィラ菅・ショルティシカゴ・ドホナーニクリーブランド)目くじら立てるものではないのでは。

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