2017-09

2017・2・27(月)METライブビューイング
   グノー:「ロメオとジュリエット」

      東劇  7時

 メトロポリタン・オペラ、今年1月21日の上演ライヴ映像。
 バートレット・シャー(シェア)による新演出で、指揮はジャナンドレア・ノセダ。

 出演はヴィットーリオ・グリゴーロ(ロメオ)、ディアナ・ダムラウ(ジュリエット)、ミハイル・ペトレンコ(ローラン神父)、ロラン・ナウリ(キャピュレット)、エリオット・マドール(マキューシオ)、ヴィルジニー・ヴェレーズ(ステファーノ)他。
 ティバルト役はMETのシーズンブックにも歌手名が載っておらず、スクリーンのクレジットも見逃したので、とりあえず不明。

 シャー(シェア)の新演出は、舞台装置(マイケル・ヤーガン)とともにストレートかつ基本的にトラディショナルなスタイルだが、細部はかなり綿密かつ演劇的につくり上げられていて、舞台転換の場面などもなかなか巧く考えられているので、まず過不足ない出来と言っていいだろう。
 ノセダの指揮もすこぶる壮大であり、グノーの音楽がシンフォニックに、劇的描写の巧みなものに聞こえる。

 主役の2人の歌唱が実に素晴らしく、演技も動きが激しく情熱的なので、他の脇役たちの物足りなさを補って余りある。METの前プロダクション(ガイ・ヨーステン演出)での、ライブビューイングでも紹介されたアラーニャ&ネトレプコのコンビに勝るとも劣らぬステージであろう。
 上映時間は休憩1回を含めて約3時間15分ほど。進行を担当したのはアイリーン・ペレス(ソプラノ)だが、彼女はMETデビュー自体がほんの2年前(ミカエラ役)というから、随分早く進行役に抜擢されたものである。

 なお、マキューシオ、ティバルト、ロメオらが決闘する場面は、今回は剣を使ったかなり派手なものになっていたが、欧米の歌手たちの大立ち回りの上手さにはいつも感心させられる。
 METの前プロダクションにおけるヨーステン演出の時にも、ジョン・健・ヌッツォがティバルト役で出ていて、彼もまた白刃を振りかざして凄い立ち回りをやっており、私はそれを現地でナマで観て、よくまあ怪我しないものだ、と冷や冷やした記憶がある。
 歌手たちも、そういう訓練をやるのである。昔マリインスキー劇場のリハーサル室で、剣を使っての決闘シーンの練習をやっていたのを見学したことがあるが、それはもう凄まじく迫真的なものだった。うっかり傍に近づくと、こちらが怪我しかねない迫力。なるほどさもありなん、と舌を巻いたものであった。

 因みに、あのヨーステン演出を私がMETで観た時には、主役の2人はラモン・ヴァルガスとナタリー・デセイだったが、第4幕では2人の「ベッド」が空中高く上がって行き、背景と舞台中に星がいっぱいに煌めき、しかもベッドから垂れ下がっているレースが風にはためき続けている━━という、非常に幻想的な仕掛けだった。
 もっとも私が観たあとの何回目かの上演では、舞台機構が故障してそのベッドが降りなくなって大騒ぎになった、ということもあったそうだが。

コメント

ティバルト役は

見落とさないように字幕に注意しておりましたら、Diego Silvaと
クレジットされておりました
メキシコのテノールで、今回がMetデビューのようです
http://www.askonasholt.co.uk/artists/singers/tenor/diego-silva

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